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ガス機器の関連法規

ガス事業法においては、消費者の保護、公共の安全確保を図ることを目的として、主として一般消費者等がガスを消費する場合に用いられる機械、器具又は材料であって、構造、使用条件、使用状況等から、特にガスによる災害の発生のおそれが多いと認められるものを、ガス用品及び特定ガス用品として政令で定めている。 ただし、液化石油ガス用のものはガス事業法から除かれているが、それらは「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」(以下「液石法」という)に同様に定められている。 具体的な品目別適用範囲は次の通りである。

特定ガス用品 特定液化石油ガス器具など特定ガス用品以外の指定品目自主検査品目

* PS マークのP は、Product(製品)、S はSafety(安全)の略号で、国が定めたものである。 消費生活用製品のうち、一般消費者の生命又は身体に対して特に危害を及ばす恐れが多いと認められる製品を「特定製品」として政令で指定し、国で定めた技術上の基準に適合し、PS マークを表示していないものは、その販売又は販売目的の陳列を禁止している。

* 政令指定品目以外の家庭用ガス機器についても、保安の確保と安全性を担保する観点から第三者検査機関(ガス機器では、財団法人日本ガス機器検査協会、略称JIA)がJIS 等に基づく検査を行い基準に適合するものに認証マークが付されている。〔自主検査品目〕

その他の規制

(1)電気用品安全法 電気用品取締法の改正により、平成12(2000)年7月より法律名称が電気用品安全法とかわった。 ガス機器の中で電気用品に指定されているものには、現在ガスストーブ(温風暖房機)、衣類乾燥機等があるが、電気用品に指定された電気機器と組合せたガス機器、例えば、電子ジャー付ガス炊飯器、電子レンジ付ガスオーブンなどは当然電気用品安全法の対象となっている。 食洗機も電気用品である。(PSE 表示)

(2)水道法 水道法では給水装置の構造、材質及び性能基準を定めているが、この給水装置に係る器具等として、ガス機器の中ではガス瞬間湯沸器、給湯付ガスふろがま等がこの対象となっている。 これらの給水装置に係る器具等については、(社)日本水道協会、(財)日本ガス機器検査協会等の認証を受け販売されている。(基準適合表示)

ガス機器の設置

ガステーブル、ガスファンヒーター等は、お客様がご自分で設置できます。 特定ガス消費機器といわれる排気筒工事が必要なガスふろがまやガス給湯器は、資格を持った人が工事又は監督をしなければなりません。(特監法) また、自主的な資格として、可とう管接続工事や、ガス機器設置スペシャリスト(GSS)等の資格があります。

特監法(特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律)

特定ガス消費機器の設置 次に示す特定ガス消費機器の設置及び変更の工事の欠陥に係るガスによる災害の発生を防止するため、これらの工事の監督に関する義務等を定めることを目的に、「特定ガス消費機器の設置の監督に関する法律」が定められている。 特定ガス消費機器は、  
(1)半密閉式及び密閉式ふろがま

(2)半密閉式及び密閉式ガス湯沸器(暖房兼用のものを含む)であって、以下に示すもの
(イ)瞬間式でガス消費量が12kW を超えるもの(ロ)その他のものでガス消費量が7kW を超えるもの(貯湯式、貯蔵式)

(3)上記(1)(2)のガス機器の排気筒及び当該排気筒に接続される排気扇

(4)上記(1)(3)のガス機器の立ち消え安全装置や不完全燃焼防止装置等の安全装置の機能の変更
これら特定ガス消費機器の設置又は変更の工事を特定工事といい、この工事を行うときは、ガス消費機器設置工事監督者の資格を有する者の監督のもとに行わなければならない。また、特定工事事業者が特定工事を行ったときは、工事業者名、連絡先、監督者氏名、施工内容及び施工年月日等を表示ラベルに記載し、特定ガス消費機器に貼付しなければならない。

ガス機器の設置基準

法律で全てのガス機器について設置基準が定められているわけではない。しかしながら、ガス機器の設置が適切でないと火災や排気ガスによる中毒事故等の大きな災害となる恐れがあることから、適切な給排気設備の設置および火災予防上の配慮は、ガス機器を設置する上で不可欠である。以前は、これらに関しては、特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律をはじめ、ガス事業法、液石法、建築基準法、消防法等によって別々に規定されており、ガス機器の設置の点から見た統一的な基準がなかった。 そこで昭和51(’76)年に、学識経験者、通商産業省、建設省、自治省消防庁、ガス業界、ガス機器業界及びその他関係諸団体の参画の下で、換気、ガス漏れ、火災に対する安全性に十分配慮した設置基準の作成を目標とし、「ガス機器設置基準調査委員会」が設立され、ガス機器、接続具、給排気設備等に関し、国内外の諸基準の総合的検討及び調査研究が行われた。その成果を基に、昭和58(’83)年3 月に「ガス機器の設置基準及び実務指針」(通称:黒本)が発刊され、建設省所管の建築物の確認業務や、自治省消防庁所管の消防検査をはじめ、多方面で多くの人たちに利用されるようになり、さらに昭和62(’87)年には、「業務用ガス機器の設置基準及び実務指針」が発刊された。前者は、一般の住居におけるガスを消費する機器について、後者は業務用用途におけるものについて、規定されている。これらの指針は、実際にガス機器を設置する際の具体的な留意事項について詳細にわたって記述したものであり、法規制ではないがそれを補完する基準として規定したものである。したがって、現在ではガス機器を設置する事業者はこれらの指針に従い設置工事を行い、また関係する行政等はこれらの指針に基づいて行政指導を行っている。 これらの指針はその後、関係法令の改正、建築様式の変化、新しいガス機器の出現、技術の進歩、液化石油ガスの取り込み等のために改訂を重ね、最近では、環境や省エネルギーに配慮した新しい機器技術等を反映したものになっている。 詳細については「ガス機器の設置基準及び実務指針」及び「業務用ガス機器の設置基準及び実務指針」((財)日本ガス機器検査協会)を参照すること。なお、各自治体ごとに定められた火災予防条例に定める事項については、これに従わなければならない。

ガス機器防火性能評定品

不燃材料以外の材料で仕上げをした建築物等の部分(または、可燃性の物品)に対して近接して、または埋め込んで設置するなど、特殊な設置が許容される防火上安全な構造のガス機器で、ガス機器防火性能評定委員会(注)により作成された防火性能評定基準に従って、財団法人日本ガス機器検査協会により評定されたものをいいます。 正規の設置基準では認められない距離まで近接して設置する場合に、機器型式毎に申請し、評定を受けたものです。
(注)ガス機器防火性能評定委員会(事務局:財団法人日本ガス機器検査協会)とは、断熱性能を改良したガス機器または新しい設置形態のガス機器等の防火上の有効性について、防火性能評定に必要な基準等を作成するために設けられたもので、関係官庁、消防機関、学識経験者、関係団体により構成されています。 ガス機器防火性能評定品には、ガス機器本体にその設置条件(離隔距離等)が表示されています。

ガス機器防火性能評定品銘板の例

その他の関連法令

建築基準法、消防法、各自治体の条例等

ガス機器に関連する設置工事資格

1. ガス機器設置スペシャリスト(GSS)
2. ガス消費機器設置工事監督者(特監法資格)
3. 液化石油ガス設備士(LP 設備士)
4. 簡易内管施工士(対象:都市ガス)
5. ガス可とう管接続工事監督者
6. 電気工事士(第1種・第2種)
7. 給水装置工事主任技術者
8.(一級・二級)管工事施工管理技士

ガスとガス機器の適合

ガス機器は、供給されているガスの種類に適合したものでなければならない。 また、給湯器等のように、設置場所の区分や能力の区分等もあり、機器の仕様は、使用する状況、要望に適合したものでなければならない。

ガス銘板の例
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